逮捕されたらどうなる?拘留から釈放、痴漢冤罪、盗撮冤罪など私選弁護士、国選弁護士について一連を解説。

弁護士に相談しよう!刑事事件編【釈放・不起訴】

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犯罪全般

執行猶予付きの判決にしてもらうための2つの条件とは

執行猶予付きの判決にしてもらうための2つの条件とは

執行猶予とは、有罪でも刑務所に入れるなどの刑罰をすぐに受けさせず、一定の執行猶予期間を悪いことをせず平穏に過ごせば、期間終了時に刑罰権が消滅し、刑務所行を免れる制度です。
豆知識として・・・、懲役などの刑務所に入る刑罰だけでなく、罰金刑でも執行猶予を付けることができます。とはいうものの、実際には罰金刑で執行猶予付きの判決が下されることはほとんどありません。

執行猶予付きの判決にしてもらえれば、裁判所からすぐに釈放されますし、釈放後は日常生活を送れるなど大きなメリットがあります。
しかし、残念ながら、全ての事件で執行猶予がつくわけではありません。

執行猶予付きの判決にしてもらうためには

法律上、次の2つの条件をクリアしていなければいけません。

懲役3年以内の刑罰であること

執行猶予付き判決を下してもらうためには、裁判所で言い渡される刑が、懲役3年以下である必要があります。
つまり、あまりに重い罪を犯すと、法律上執行猶予がつかない可能性もあるのです。

前の罪で出所後5年以内でないこと

また、前科がある場合には執行猶予がつかない可能性があります。
前に犯した罪で有罪判決を受け、刑務所から出所後5年以内に、今回の事件の判決が下される場合は、法律で執行猶予が付けられないことになっています。
5年以上経っていれば、法律上は執行猶予を付けられますが、執行猶予を付けてもらうことは難しいと言えます。

刑務所から出所して10年以上経過しているような場合では、被害者と示談しているとか、家族のサポートが万全であるとか、犯罪を行った理由に汲むべき事情があった、などの事情をきちんと伝えることで、執行猶予付き判決を下してもらえる可能性もあります。

こういった事情を「情状」といいますが、裁判官にきちんと理解してもらって執行猶予付きの判決にしてもらうためには、弁護士にしっかりと伝えてもらうことが有効です。

性犯罪の執行猶予の可能性は?

先述したように執行猶予判決にしてもらえばいくつものメリットがあるわけですが、犯罪の性質によっては、執行猶予付きの判決を下してもらうことが難しいケースもあります。
性犯罪の類型別に、執行猶予を獲得できる可能性について説明します。

痴漢事件で起訴されたケース

そもそも、「痴漢罪」という犯罪はありません。
痴漢にあたるのは、各都道府県の迷惑行為防止条例違反に当たる行為をした場合か、刑法の強制わいせつ罪にあたる行為をした場合ということになります。
明確な基準があるわけではありませんが、服の上から触ったような場合は条例違反の痴漢服の中に手を入れて直背触ったような場合が強制わいせつの痴漢になると言われています。

条例違反の痴漢事件で、前科がなく、初めて裁判になったケースでは、執行猶予になる可能性があります。
強制わいせつの痴漢事件の場合は、被害者と示談が成立しているようなケースでは執行猶予になる可能性があります。
しかし、同種前科がある条例違反の痴漢や、犯行態様が悪質な強制わいせつの場合は、執行猶予は難しくなります。

援助交際などで起訴されたケース

援助交際も、そういう名前の犯罪があるわけではありません。
援助交際は、児童に対価を渡して性的な行為をしたことが問題になる犯罪で、児童買春や青少年健全育成条例違反が問題になります。

この場合、初犯ならば執行猶予の可能性がありますが、同種前科が多い場合や被害児童が多数にのぼるケースでは、執行猶予は難しくなるでしょう。

また、児童の裸の写真を撮影する、SNSで送ってもらうといった行為は児童ポルノが問題になります。
この場合、初犯で前科がない場合にはければ執行猶予の可能性がありますが、余罪が多いようなケースでは執行猶予が認められない場合もあります。

強姦罪で起訴されたケース

強姦罪の刑罰は、3年以上の懲役と刑法で定められています。
執行猶予は、言い渡される刑罰が3年以下の場合にしか認められないので、強姦罪で執行猶予を獲得するハードルは高いと言えます。

その他、強姦して被害者に怪我をさせた強姦致傷の法定刑は5年以上の懲役、複数の加害者が強姦した集団強姦の法定刑は4年以上の懲役とされているので、情状酌量で刑を減らしてもらわない限り、執行猶予を付けてもらうことはできません。

薬物犯罪の執行猶予の可能性は?

薬物事件で有名人が逮捕されるニュースが後を絶ちません。
有名野球選手が、覚醒剤取締法違反事件で執行猶予付きの判決が下されたニュースは、記憶に新しいところです。

薬物事件の裁判で執行猶予がつくかどうかは、「どういう目的だったか」という点が大きく影響します。
薬物犯罪について、執行猶予を獲得できる可能性について説明します。

薬物事件の種類

薬物事件は、問題となった薬物の種類によって、関係する法律がかわります。
覚せい剤の場合は、「覚せい剤取締法」が、大麻の場合は「大麻取締法」が、ヘロインやMDMAなどでは「麻薬及び向精神薬取締法」が問題になるというように、規定している法律が薬物によって異なるのです。
また、近年問題になっている危険ドラッグは、成分の変化と法律の整備がいたちごっこのような状況ですが、多くの場合「薬事法」が問題になるといえます。

執行猶予付き判決の獲得については、いずれの薬物犯罪でも、共通して目的が問題になるといえます。

自分で使用するためだったケース

自分で使う目的のことを「自己使用目的」といいます。
初犯で、自己使用目的で薬物を所持していたり、使用したことが発覚したようなケースでは、執行猶予になる可能性があります。
しかし、同種前科がある場合には執行猶予は難しいと言えます。
特に、前の薬物事件の裁判で執行猶予判決になり、執行猶予期間中は犯罪を犯さずに過ごしたけれど、期間が開けた途端に同じような薬物事件を起こしたようなケースでは、執行猶予の獲得は難しくなります。

営利目的だったケース

薬物を販売して利益を得る目的のことを「営利目的」といいます。
この場合、自己使用の場合に比べて重い処分が下されます。
初犯のケースでも、執行猶予を付けてもらうことはほぼ無いといってよいでしょう。

交通事故犯罪の執行猶予の可能性は?

交通事故は、誰もが起こし得る事件です。
交通事故で相手にケガをさせたり死亡させてしまった場合、多くの場合「過失運転致死傷罪」といって、不注意による事故とされます。

しかし、飲酒運転で交通事故を起こした道路交通法違反の罪が加わる場合や、故意、つまりわざと危ない運転をして事故を起こした場合は「危険運転致死傷罪」として思い罪が予定されています。

普通の交通事故で起訴されたケース

交通事故のケースでは、多くの場合、信号の見落としやうっかりスピード違反をしたなど、過失によって交通事故が発生しているといえます。
その過失、つまり不注意の程度が重くなく、事故の被害者に謝罪を尽くして賠償をし、示談ができていれば、執行猶予付き判決を下してもらえる可能性があります。

交通事故で相手が死亡していた場合でも、その遺族に対して謝罪と賠償を尽くして示談できていれば、執行猶予になる可能性があります。

また、交通事故事件の前科がある場合や、余罪がある場合、日常的に交通違反が多いようなケースでは執行猶予が認められないこともあります。

悪質な交通事故で起訴されたケース

飲酒して交通事故を起こした場合、中でも相手を死亡させたようなケースでは、執行猶予を付けてもらえる可能性はほぼ無いといってよいでしょう。
無謀なスピード違反による走行をして相手にケガをさせたり死亡させた場合でも、執行猶予を付けることは難しいと言えます。
また、わざと危険な運転をして交通事故を起こしたり、薬物を窃取するなどして運転できない状況にあるとわかりながら運転して事故を起こしたような危険運転致死傷罪に当たるケースでは、普通の交通事故に比べて執行猶予付きの判決を下すことは格段に困難になります。

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