逮捕されたらどうなる?拘留から釈放、痴漢冤罪、盗撮冤罪など私選弁護士、国選弁護士について一連を解説。

弁護士に相談しよう!刑事事件編【釈放・不起訴】

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犯罪全般

刑事事件で実名報道される可能性と対策とは

刑事事件で実名報道される可能性と対策とは

– 夫が痴漢の容疑をかけられたが、ニュースに乗ることは避けたい・・・
– 身内が起こした事件が報道されて子供がいじめられないか心配だ・・・

ご家族が刑事事件に巻き込まれた場合、実名報道される可能性が心配な方は多いのではないでしょうか。
ご自身の生活や会社関係の対応が心配なのはもちろん、お子さんのことが心配だという方もいるでしょう。

最近は、ニュースや新聞だけでなく、インターネットで事件や氏名が掲載されることも少なくありません。
また、こうしたニュースは逮捕された被疑者段階で世間に広まり、最終的に冤罪であったり、不起訴になった場合でも消されることは困難なのが事情です。
事件が起きたらすぐにマスコミは動きますが、どこからの情報を元に動いているのか、気になる方も多いはずです。
今回は、刑事事件に巻き込まれた場合の実名報道の可能性と、以降その対応について解説します。

実名報道される事件の基準とは

報道されやすい事件

犯罪を犯して逮捕されたからといって、すべての事件が報道されるわけではありません。
というのも、日本では毎年約40万人に人が逮捕されているため、そのすべてを報道することは不可能だからです。
実名報道される事件の基準はありませんが、全国紙などで報道されやすいのは、次の3つの点に当てはまるような事件といえるでしょう。

・重大事件または特殊な内容の事件で、社会的な関心が高い事件
・加害者や被害者など事件の関係者が、著名人(政治家、芸能人など)の場合
・加害者や被害者など事件の関係者が、社会的に関心を集めやすい場合(公務員、教師、医師、弁護士、大企業社員)

なお、上記に当てはまらないような事件でも、地方紙やローカルニュースなどには載る可能性があります。
さらに軽微な事件や逮捕されていないケースであっても、各警察署が速報としてホームページに掲載したり、「不審者情報」などとして個人の特徴がアップされることもあります。

実名報道と匿名報道の違い

事件が報道される場合は、実名報道が原則とされています。
特に、政治家や官僚、警察関係者や法律家などが、仕事に関する刑事事件を起こした場合は実名報道されます。

ただし、別件逮捕されて本件で逮捕されるまでの間、任意捜査や書類送検の事件については匿名報道にされることが多いです。
とはいえ、社会的な影響や責任の程度、また起訴された場合は実名報道されます。

報道されにくい事件

報道がされにくい事件としては、被害者のプライバシーが関わる性犯罪や、刑事責任能力の問題が関わる精神障碍者(せいしんしょうがいしゃ)が起こした事件などがあります。

精神障碍者が起こした事件については、刑事責任能力がないと判断されることが確実な事件の場合は、匿名報道が原則です。

また、少年事件については、少年法で実名報道が禁止され、氏名、年齢だけではなく、職業や住居、風貌などから事件の本人と分かるような記事や写真の掲載も禁止されていることから匿名報道が原則とされています。
ただし、①少年が逃走中で、殺人などの凶悪事件を再度起こす恐れがある場合、②少年が指名手配中で捜査に協力する場合、③社会的利益の方が少年保護の要請より強い場合には、少年事件でも実名報道が認められるというのが通例です。

マスコミが実名報道する流れとタイミングとは

事件報道の流れ

刑事事件が発生すると、警察の担当者が記者クラブに加盟する新聞社やテレビ局などの報道機関に、事件をFAXします。
特に重要な事件の場合は、記者会見を開くこともあります。
ちなみに、警察がマスコミに事件を教えることは、規則や規範で認められています

連絡を受けた事件を報道するかどうかを各マスコミが検討し、報道する場合は警察の広報課に事件の詳細を取材します。
そして、翌日の新聞に掲載するなど、報道されるという流れになります。

このように、警察から直接事件について教えてもらえるのは、記者クラブに加盟している報道各社ということになります。
一般的に、出版社が母体である週刊誌は記者クラブに加盟していないので、彼らは全国紙の記者にコネを持っていたり、取材するなどして事件を雑誌に掲載するようです。

事件が報道されるタイミング

事件が報道されるタイミングとしては、初めて逮捕された直後、または送検(検察庁に事件が送られたとき)が多いと言えます。

ただし、刑事事件といえども、他のニュースとの時間的調整の中で報道されるかどうかが決まるので、事件直後には報道されないこともあります。
また、警察からの事件発表ではなく、マスコミの独自取材や関係者からの情報提供があった場合にも、事件直後には報道されません。
そのような場合や、有名人の事件の場合は事後的に報道されることもあります。

マスコミに報道された場合には

マスコミ報道の影響

マスコミに実名報道されると、逮捕段階でも容疑が確定したような印象を与えるため、会社や学校への影響は不可避と言えるでしょう。
冤罪であっても、無実であることの証明は難しく、社会復帰が難しい場合も多いです。
特に、事件を早期に解決するためにあえて示談をしたような場合でも、有罪だから示談したとのだと捉えられてしまうこともあるようです。

また、本人だけではなく、家族まで犯罪を犯したかのような扱いを受けるなどして、つらい思いをする人も少なくありません。

報道が名誉棄損になる可能性

実名報道されたことが名誉棄損に当たると認定されるのは、難しいのが実情です。

警察が、わざとウソの事実をマスコミに流したような場合は名誉毀損にあたりますが、発表時に有罪と認められる疑いがあった場合には名誉棄損にならないとされています。
実際に、逮捕・勾留された後に不起訴になった事件でも、実名報道されたことは違法ではないとして名誉棄損が認められなかった裁判があります。

ただし、無実を主張し否認している刑事事件で、警察が自白したと情報を流して報道された事件では、慰謝料の支払いが認められたケースがあります。

実名報道を避けるためにできること

実名報道されるかどうかは、事件の性質と、容疑をかけられた人の社会的な地位によって判断されるため、完全に避けるのは難しいのが実情です。
また、インターネットに掲載された場合も、全て消去するのは困難です。

しかし、弁護士を通じて、実名報道を控えるように捜査機関に意見書を提出したり、事前に交渉を進めることは可能です。
また、捜査中はインターネットのプロバイダに容疑が未確定であることを主張して削除を要請するなどの対応を行います。

いずれにしても、これらの対応は個人では難しいので、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。

いかがでしょうか。
実名報道は誰しも懸念するところだと思いますが、それを防ぐのが難しいことがお分かり頂けたかと思います。
一番良いのはそもそも逮捕を阻止することですが、刑事事件は早いほどできる対応が増えます。
刑事事件に巻き込まれた場合には、1日も早く弁護士に相談してください。

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