逮捕されたらどうなる?拘留から釈放、痴漢冤罪、盗撮冤罪など私選弁護士、国選弁護士について一連を解説。

弁護士に相談しよう!刑事事件編【釈放・不起訴】

弁護士に相談しよう!刑事事件編【釈放・不起訴】 | 逮捕されたらどうなる?拘留から釈放、痴漢冤罪、盗撮冤罪など私選弁護士、国選弁護士について一連を解説。

逮捕・勾留・釈放

痴漢冤罪で警察に連行された後の身に生じること、その実態とは

痴漢冤罪で警察に連行された後の身に生じること、その実態とは

– 警察署に連行されたら、殴られるのではないか・・・
– 取調室に長時間拘束されるのではないだろうか・・・

警察署に連行された後に何が行われるか、ご存知の方は多くはないと思います、
それだけに、痴漢冤罪で任意同行に応じざるを得なかった場合に、どう対応すべきか悩む方もいるのではないでしょうか。

警察に連行されたらまず何をされるかを知っておくと、いざというときに安心です。
また、何をしてよくてしてはいけないのか、自分が採るべき行動を考える基準にもなります
今回は、警察署での取調べで何が行われるのかについて説明します。

警察署での取調べの実態とは

警察署に連行されると、写真撮影、繊維鑑定、DNA鑑定などが行われた上で、取調べが行われます。
取調べは、警察署の取調室で行われ、痴漢を否認していたとしても被疑者として扱われることになります。
テレビで「容疑者」と表現されますが、法律用語では、犯罪を疑われて起訴される前の人を「被疑者」と言います。

取調べでは、刑事ドラマのように机をバンバン叩いたり、胸倉をつかむなどの乱暴な行為は最近はありません。
しかし、特に痴漢冤罪で容疑を認めない否認事件の場合は、警察官の言葉遣いがきついなど、精神的な負担を感じる人もいるようです。
もし、取調べで警察官に暴力的な態度を取られたり、人権を侵害するようなことを言われた場合には、弁護士を依頼して抗議を申し込んでもらいましょう。
特に任意同行から逮捕に至ったようなケースでは、担当の警察官を変えるなどの対応を取ってもらえることがあります。

供述調書は今後の大きな証拠になる

取調べでは、基本的に、弁解録取書と身上経歴調書という2つの種類の供述調書が取られます。
弁解録取書とは、事件を認めるか、否認するかといった事件に関するスタンス等を記すもので、身上経歴調書とは、生い立ちや学歴・職歴など被疑者自身に関する内容を書面にしたものです。

これらの供述調書は、被疑者が話したことを、同席した警察官がPCで書き起こす形で作成します。
供述調書はプリントアウトされ、被疑者に読み聞かせをして、内容に間違いがなければ署名し、差し替えを防ぐために各ページに捺印するという流れになっています。
署名捺印された供述調書は、被疑者自らその内容を認めたものとして、その後の手続きで重要な証拠として扱われることになります。
それだけに、供述調書への署名捺印の持つ意味はとても大きいといえますが、自分の思いと違うニュアンスで作成される可能性もあります。

絶対にやってはいけないこと

その1 – 納得できない供述調書にサインしてはいけない

供述調書に署名し、捺印するということは、そこにかかれていることを被疑者自身が認めたということを意味します。
そのため、その後刑事手続きが進む中でも、重要視される証拠の一つになってきます。

逆に供述調書の内容に納得が出来なければ、供述調書にサインしてはいけません。
納得できない供述調書にサインしないことは権利(署名拒否権)として認められています。
気になる点があれば、何度でも訂正を求めて構いません

一度サインした供述調書は、その人の証言と同じように扱われるので、後から覆すのはとても難しいのです。
やっていないのにやったかのようにかかれた供述調書には、署名拒否権を行使して、サインしないように頑張りましょう。

その2 – あいまいな返事をしてはいけない

取調べでやってはいけないもう一つのことは、曖昧な返事をすることです。

特に気を付けたいのは、明らかに「やった」と言わなくても、やったのと同じ効果が認められることがあるという点です。
「痴漢をしていない」というのと「手が被害者に当たっていたかもしれない」「当たっていても仕方がないと思った」というのでは、全く異なります。

刑法には「未必の故意」といって、犯罪の結果が実現される可能性を認識しつつ、それを認容していれば、罪を犯す意思があったと認められるという考え方があります。
「手が被害者のお尻にあたっていたかもしれないが、構わないと思った」というような回答は、未必の故意として痴漢をする意思があったと認められる可能性があるのです。

先ほどの供述調書との関係では、「今考えれば、手が当たっていたかもしれない」などと言われ、自分でもそう答えているうちに、当時もそう考えていたような供述調書が作成されてしまいます。
供述調書に、自分の思っていることと違うニュアンスで記載されることによって、罪を認めたと判断される可能性があることを知っておく必要があります。
やっていないことはやっていないと明確に述べて、曖昧な返事をしないことが重要となります。

連行された場合に知っておくと有効な3つのこと

以下、警察に連行された場合に覚えておきたい3つのことをお話しします。
逆に言えば、この3つを覚えておけば、いざというときに安心です。

任意同行なら私選弁護士を呼ぶ

警察に連行されたら、少しでも早く弁護士を呼ぶこと、これは今後の対応を考える上でもとても重要です。
弁護士がいれば、根拠のない連行の場合はその場で釈放されやすくなりますし、もし既に逮捕されていたとしても、黙秘権の使用などのアドバイスを受けることができるからです。

警察に「弁護士を呼んでほしい」と伝えれば呼んでくれます。
その際、どこの事務所に電話してほしいか伝えるために、ホームページなどを見て痴漢冤罪に強い弁護士事務所の名前を覚えておくと安心です。
なお、この場合に呼べる弁護士は「私選弁護士」です。
私選弁護士は、自分で選んで頼む弁護士のことです。
国選弁護士は、少なくとも勾留されないと付きませんし、付いても一定の重い犯罪なので、通常の痴漢では国選弁護士は付けられません。
私選弁護士は、国選と違ってお金がかかりますが、逮捕前から弁護活動を頼める点で大きなメリットがあります。

逮捕されたら当番弁護士も検討する

痴漢冤罪をかけられた駅で逮捕されたというような場合、任意同行ではなく、逮捕の効果として警察署に連行されているケースが考えられます。
もし、弁護士事務所の名前を知らなかったり、呼べる弁護士に心当たりがなくても、逮捕されると1回限り無料で当番弁護士を呼ぶことができます
これは弁護士会が行っている活動のひとつで、当番弁護士名簿に登録した弁護士が、依頼によって順番に警察署などに出張してくれる制度です。

当番弁護士も、警察官に「当番弁護士を呼んでほしい」と伝えれば呼んでくれます。
当番弁護士も私選弁護人の一種なので、1回の面会の後続けて弁護をしてほしければ、別途契約しなければいけません。

勿論、逮捕後でも上記のように自分で選んだ私選弁護士を呼ぶこともできます。
当番弁護士は無料で呼べるメリットがある反面、刑事事件を扱った経験が少ない人に当たる可能性もあるので、確実に刑事事件に強い弁護士を呼びたい場合は私選弁護士を呼ぶことも覚えておくといいでしょう。

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国選弁護と私選弁護の違いとは-選び方と仕事の違い

弁護士を呼んだら家族への伝言を忘れないで

面会する弁護士が来たら、家族への伝言を忘れず頼みましょう。
具体的には、弁護士に契約を頼んで早く活動を開始してほしいこと、そして会社に連絡をしてほしいことを伝えます。
家族への連絡が取れない状況だと、弁護士と契約が出来ず弁護活動の着手が遅れたり、会社への連絡が出来ずに無断欠勤扱いになる恐れがあります。
逮捕期間中は弁護士以外とは会う事が出来ないため、弁護士を通じて家族と連絡を取っておくことで、その後の対策がかなりとりやすくなるのです。

いかがでしたか。
供述調書へのサインが拒否できることに驚いた方もいるかもしれません。
権利について知っておくだけでも気持ちが楽になりますが、一人で取り調べを受けていると不安に苛まれることもあります。
もし痴漢の冤罪で警察に連行されても、弁護士を呼ぶだけでもかなり気持ちも楽になりますが、ただ呼ぶだけではなく適切なタイミングで適切な弁護士を呼び、取るべき対応をすることが重要になります。

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